2006年07月23日

これはいいよ★

私はWinnyなどのP2P型のファイル共有サービスを使って音楽や映画をコピーすることは犯罪であり徹底的に取り締まるべきだと考えているが、YouTubeにテレビ番組の一部をアップロードする行動に関しては、「ある程度までは許容範囲として認めるべきではないか、必要であれば著作権法の方を変更すべき」と感じている(参照:見たい番組の存在は『放送後』に知ることが多い、だからYouTube)。

 この違いを誤解を招かないようにどうやって説明しようかと悩んでいたのだが、ちょうど良い記事をITMediaに発見した。

 ブログの主目的は『個人的体験の共有』

 人々がファイル共有サービスを使う目的は、明らかに「本来ならばお金を払って入手しなければならない音楽や映像を無料で手に入れること」であり、これは明らかに著作権法違反である。これに対して、人がYouTubeにテレビ番組の一部をアップロードする目的は、主に「こんな面白い場面があったよ」という「個人的体験の共有」である点に注目すべきだ。

 新聞のコラムニストやブロガーが、他人のブログやコラムからテキストの一部を『引用』してそれに関する議論を展開することは、既にごく一般的にされていることである。そこで私が問いたいのは、「YouTubeは今までテキストでしか可能でなかった『引用』を単にビデオにまで広げたもの」と考えることは出来ないだろうか、という質問である。

 この『引用』の合法性に関しては、日本の著作権法にも明記してある。

「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」(著作権法、第32条)

 この第32条に照らして言えば、新聞の記事全文をそのままコピーしたものをブログのエントリーにしてしまうことは違法であるが、ブログで自分の意見を表明するために新聞記事の一部を『引用』するのであればなんら問題はない。

 それとまったく同じことがYouTubeにも言えないだろうか。テレビ番組や映画を細切れにしてアップロードし、全編を見れるようにしてしまことは違法だが、番組の一部をYouTubeにアップロードして、それに関する自分の意見をブログで表明することは、著作権法でも認められている『引用』に相当するのではないだろうか。

 典型的な例が、有名な「スプー」事件。NHKの歌のお姉さんが絵描き歌を歌いながら書いたスプーの絵があまりにも衝撃的だったために、すぐにその映像がYouTubeに上がったのだが、この目的は明らかに「個人的体験の共有」であり、私には著作権法でも認められている『正当な範囲内の引用』に限りなく近いものに思える。これによってNHKの当該番組の視聴率が下がったとはどう考えても思えないし(たぶん逆に上がったはず)、優秀な弁護士であれば、現行法のままでもあの行為を『正当な範囲内の引用』と裁判所に認めさせることも不可能ではない、と私には思えるのだがどうだろうか。専門家の意見をぜひとも聞いてみたい。

 いずれにしろ、法律というものは人々のためにあるものなのだから、それが社会の常識に合わなくなってきた時には法律の方を変えるべきである。「テレビ番組の一部を『個人的体験の共有』のためにアップロードすることぐらい許容範囲」と多くの人が考えるようになったのであれば、著作権法の方をその「常識」に会わせて変更すべきなのである。これこそがまさに、「YouTubeが著作権法にもたらしている進化圧(淘汰圧)」なのである。






posted by インリソ・オブ・ジョイトイ at 23:17| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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